研究科 | 岐阜大学大学院 連合農学研究科生物資源科学専攻 |
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分野 | 分子生命科学領域 糖鎖生化学研究室 |
専門 | 糖鎖生物学 |
経験 | 岐阜大学iGEM(合成生物学のサークル)チームで4年間活動 |
私は、タンパク質の翻訳後修飾の1つであるN-グリコシル化(N型糖鎖付加)について研究を行なっています。N-グリコシル化は酵母から哺乳類に到るまで広く保存された翻訳後修飾であり、小胞体とゴルジ体に存在する糖転移酵素によって行われます。また、糖転移酵素の欠損マウスを用いた研究や臨床研究から、N型糖鎖の構造変化や合成異常がアルツハイマー病やがんなどの疾患の原因となることが分かっており、糖鎖構造の制御が疾患の治療に直接つながると考えられます。このようにN型糖鎖の機能的な重要性が明らかにされつつある一方、糖鎖生合成や糖転移酵素の制御メカニズムについてはほとんど分かっていません。そのため現在、私はN型糖鎖を合成する糖転移酵素の活性や局在の制御メカニズムの解明を目的として研究を行なっています。将来は、糖鎖生合成の詳細な分子メカニズムを明らかにして、糖鎖構造異常を原因とした疾患の発症機構の解明や治療薬開発に貢献したいと考えています。