私は、生きている細胞形質膜上の脂質ドメインの可視化解析を行っています。細胞膜上の脂質分子は、１分子ごとに微視的に見ると非常に速く拡散しているため、その正確な位置を測定するためには、高い時間分解能が必要です。そのため、世界最高速で細胞膜分子を超解像・１分子観察しています。さらに分子の共局在を解析するプログラムを独自に開発し、信号伝達における脂質ドメインの役割を検証しています。また、機械学習を導入した画像解析プログラムの開発に非常に興味があります。将来は、顕微鏡システムと解析技術をさらに改善して、癌に関わるシグナル伝達系の制御機構を解明したいと考えています。